朝日新聞夕刊「ニッポンの人脈記・ここにアイヌ」より情報拝借
この人脈記は10回にわたる結構大規模な取材記事であったが、少しつまみ食い程度の話題提供です。
■まず、役者として活躍している宇梶剛士(46)がアイヌ民族であることを初めて知りました。彼の母親は小学5年のとき、同い年くらいの女の子にすれ違いざま「ア、イヌが来た」といわれ、アイヌとしてこんな差別を受けたことをこのようにいっています。
その後母は大人になるとアイヌの活動家になる。子供の宇梶剛士は暴走族になり、今はアイヌを拒むこともなく、強調することもない存在だというのです。
アイヌであったことが彼をして暴走族に走らせたのか、それとも彼個人の生き様なのかこの辺が複雑な気分になる。
■アイヌ民族で唯一国会議員になったのが、参議院議員の萱野茂である。この人はアイヌ文化を研究し、アイヌ語辞典を作った人である。アイヌは文字を持たない民族で、口伝承で文化を語り継いできている。このままでは古老が死ぬとアイヌ文化は途絶えるとして、アイヌ語辞典を制作したということである。
この口承文芸ともいうべきアイヌ文化に魅了される人たちもいます。文字文化では限界を感じるというのです。こんなことを言われても、われわれにはちょっとこの辺のことは分かりませんが、アイヌの神謡集というものをフランス語に訳す人が出てきています。
これをフランス人のノーベル文学賞受賞者ル・クレジオは「アイヌの神謡集には日本人とアイヌ民族との和解の希望が感じられる」といっているというのですが、口承文芸が持つ不思議な魅力でしょうか、我々文字文化に馴染んでいるものにはさっぱり、この辺のことは分かりません。
■政治の世界も少しばかり動き出したようです。新党大地の代表鈴木宗男はアイヌ問題に関心を持ち、アイヌ出身の多原良子を副代表に向かえ,多原良子の娘多原香里さんを国政に担ぎ出し、選挙戦を戦い昨年の参議院選挙北海道区では次点にまでなっている。
他の北海道の国会議員では、自民党の今津寛、民主党の鳩山由紀夫と鈴木宗男とが連絡をとりあって、アイヌを先住民として認める決議案の原動力となっている。いろいろな問題をはらんでいるとはいえ、このようにアイヌを先住民として認めるようになったといえる。

